日本近海底には夢のような資源が眠っているようです。そのうちのひとつ、メタンハイドレートは、海底のメタンと水が結合してできた天然ガスの一種で、見た目が氷に似ており火を近づけると燃えることから“燃える氷”と言われます。このメタンハイドレートは、石油、石炭、天然ガスに続く“第4の資源”になるのではないかと注目を浴びています。その探査や研究を長らく独自に続けてきたシンクタンク独立総合研究所の青山繁晴、千春夫妻に、日本海の浅い海底に膨大な量が広がるといわれる表層型メタンハイドレートをどのような技術で開発するのか、米国産シェールガスの15倍以上高いという生産コスト問題をどのように克服するのか、4月に安倍総理が打ち出した「海洋基本計画」をどのように評価し、協力していくかなどお聞きするのが企画の狙いです。
青山夫妻が計量魚群探知機で観測した上越海丘のメタンプルームの様子を解析し、再現した映像には驚きました。メタンハイドレートの泡粒でできた約600メートルのスカイツリーが幾本も海底で踊っています。この根元には莫大なメタンハイドレートの層があるそうです。この映像を見た櫻井キャスターは放送中に2度「CGですか?」と千春博士に訊ねた程です。実際に取ったデータを千春博士が解析再現したリアルな映像ですので、是非動画の中でご覧ください。千春博士は、1997年のナホトカ号沈没で油の流出量を魚群探知機で調査している時に、偶然メタンプルームを発見し、その後、研究船に魚群探知機を付けて次々とメタンプルームを発見しました。漁船の魚群探知機で調査すれば、巨大な探査船は不要で、コストは漁船の燃料だけの調査が可能です。青山夫妻は「コストが安く実用化できなくては資源と言えない」「埋蔵量の調査は、産業化に向けた調査になる」「僕らは政府予算などあてにしない。借金は億単位だが方針は変えない」ときっぱりと決意を語りました。櫻井キャスターは「仲の良いお二人が二人三脚で、日本のために働き続けて下さい」と対談を締めくくりました。
≪対談インデックス≫
1.青山夫妻が「天の計らい」で日本海表層型メタンハードレートを発見した経緯
2.「太平洋深層型」と「日本海表層型」はどう違う
3.子育てを終えた41歳の千春博士が魚群探知機で泡のスカイツリーを発見!
4.魚群探知機システムの特許を取ったが、特許使用料は取らない理由?
5.竹島問題も国後島にメドベージェフ首相が訪問したのも実は資源問題だ
6.漁船探知機でメタンプルームを発見すれば大幅なコストダウン!
7.4月閣議決定した「海洋基本計画」は大前進だが、官庁主導では絵に描いた餅
8.生産コストの予測は無理だが、液化天然ガスの輸入価格より下がる見通しがある
9.「資源は質が全て、メタンハイドレートは資源ではない」という批判に≪反論≫
10.メタンハイドレートは二酸化炭素を出し地球を温暖化するという批判に≪反論≫
11.役人や学者は最初からドアを閉ざし自分を守るのではなく、
自分を壊しても祖国の可能性にかけるべきだ!
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青山 繁晴
独立総合研究所代表取締役
1952年兵庫県神戸市生まれ。慶應大学中退後、早稲田大学政治経済学部卒業。共同通信社へ入社し、官邸、自民党担当記者等を経て、ペルー日本大使館占拠事件で現地取材した後に退社。三菱総合研究所の研究員として、安全保障・外交から金融・経済など包括する国家戦略の立案に携わる。 2002年シンクタンク独立総合研究所を創立し、代表取締役兼主席研究員に就任した。2007年より近畿大学経済学部客員教授国際関係論、TVタックルなどテレビ番組に出演多数、著作に『ぼくらの祖国』、『激論でアベノミクスが解けた!』など。
青山 千春
水産学博士
東京都生まれ。1978 年東京水産大学現・東京海洋大学卒業。1997 年東京水産大学大学院博士課程修了水産学博士を取得。アジア航測株式会社総合研究所、株式会社三洋テクノマリンを経て、2002 年夫の繁晴氏が代表取締役と務める独立総合研究所の取締役・自然科学部長に就任。三級海技士航海の免許をもつ。安価で簡便な魚群探知機によるメタンハイドレート調査方法で国際的に特許を取得し、日本海側のメタンハイドレートの賦存状況を調査している。著書は夫の繁晴氏と共著『希望の現場メタンハイドレート』。
※ プロフィールは放送日2013.08.09時点の情報です