- 2023.03.02
- 一般公開
気球と無人機で世界を席巻する中国
『週刊新潮』 2023年3月2日号日本ルネッサンス 第1038回直径60メートル、中国の巨大スパイ気球は南シナ海の海南島で打ち上げられ、太平洋に出てアリューシャン列島、アラスカ、カナダ経由でアメリカ本土の上空に入った。海南島は世界最大規模の水中潜水艦基地や文昌衛星発射センターがあることで知られる。同島の位置する南シナ海は、中国最重要の対米軍事拠点だ。米軍は2月4日、中国の気球が海上に出たところで撃ち落とした。回収された残骸の分析はこれからだが、情報収集のためのセンサーなど電子機器が積み込まれていたことが明らかにされ、米国はこれをスパイ気球と断定した。証拠をつきつけられても自分たちの悪事を認めない中国は米国政府の見解に大いに反論した。徐学淵駐米臨時大使は17日、米紙「ワシントン・ポスト」に寄稿して論難した。...